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2011年11月28日 (月)

お香の会に初参加!~源氏三習香 げんじさんしふかう

ひと月前、東京の仕事からの帰り、夜ぐったり疲れて
新倉敷駅で「こだま」を降りると、前に着物姿の女性が二人歩いている。
特に行事がある時期でもないのに、
珍しいなと思い、その物腰が美しかったのと、
どんな人が着物を着ているのかなとか、
その着こなしにも興味があって、
改札前、
早足で追い越した後、ちょっとだけ振り返る。

すると目が合ってしまい(当り前か、振り返ったのは私の方だから)、
次の瞬間、お互いにアッと声を上げる
「○○○ちゃん」。

祖母のお葬式以来かもしれない。
つまり、20年?!ぶりに出会う、
小さいころよく遊んでもらった親戚のおねえちゃんと
その娘さんだった。

そのお姉ちゃんは美人で有名で、
お茶の先生、そして
老舗のお茶屋さんに嫁がれた。
「ひろこちゃん、私、もう60になるのよ」とのたまふ。
娘さんに会うのは始めてだ。
30歳を過ぎているのよ。。。とのこと。
(私だって○歳を過ぎているのだから)
そうかそういう年になろうというもの。

「奈良の正倉院展からの帰り」だという。
なんとも慎ましく、さわやかな着物姿。
私は4泊5日の仕事帰り、ぐったり疲れ、たぶんひどい顔で
キャリーをひいて、やれやれ、あと5分で家だあ~と
どやどや?!と歩いていたに違いない。
(なんたる違い!)

以前から、日本のものを何か習いたいとずっと思っていて
(そう、お茶とかお花とか。。。)
あまりにも作法を何も知らないので
困ることが年々多くなる。
外国に行った時もしかり。

必ず、“Tea Ceremony”や“Ikebana”
はたまた「合気道」「空手」について尋ねられることも多い。
そのたびに言葉に窮する。
日本人だからということで尋ねられるわけだが
ここでは日本人としてのメリット?は何も発揮できない。
だからいつも恥ずかしい思いをしている。

で、私のことだから即座に
「お茶、習いたいとずっと思っているのだけれど。。。」

「いつでもいいわよ。いらっしゃいよ。
そうそう、香道、お香の会もあるわよ。」
「なになに?興味ある。行く行く。それでいつ?」
早速手帳を取り出して、日程を書き込む。

「本当に来てくれるの?」
「ええ。もちろん!」

。。。ということで
今日の会となった。

車で10分もかからないのに、
かつては商店街で栄えていた港の方に向かうことは
ほとんどない。
高校も学区外へわざわざ電車通学していたからなおさらだ。
出かける時は、新倉敷駅経由でどこかにというのが
高校からずっと、私の習慣になってしまった。

さて今日の会、14:00から15:30頃まで。
12人のご婦人方の落ち着いた集まり。
一挙一動に興味津々。
(すっかり外国人?!気分を満喫!)

まずはお店の裏にあるお庭に通された。
鹿威し(ししおどし)はないけれど、
竹を伝わって水が流れている。
お茶席を待つ簡素な待合い。
小さいながらも典型的日本庭園。
落ち着くわあ~。

寒くない秋の空気、水の音、
そこに座って12人が待っていると
ご案内に、娘さんの方が
茶室の障子が開けてお庭に。
周りの植木に水をまいて
境の竹で編んである戸を半分くらい開けられる。
桶の残りの水はお清めの水にと、流し入れられる。

ひしゃくで水をすくって
えっと。。。どういう順番だったっけ?
先月、Maartenさんと明治神宮にお参りした時、
その手順が書いてあったぞ。
右手、左手それから口をすすぎ、
最後にひしゃくに水をそわして清め。。。だったよなと
他の人たちに順番を譲って、ひそかに?じっと観察、
その手順を確認する。

さて、靴を脱いでお茶室に上がるのも
なんだかよっこらしょ。
靴がスムーズに脱げない。

譲りすぎて、私が最後。。。さてこの障子
どうやって閉めるのが正式なの?
立ったままじゃあ、きっと失礼にあたるよね。
ひとまず膝をついて、丁寧に閉める。
(誰もこちらを見ていないのをいいことに、まあ、これでいいのかなと。。)
指の正式な?添え方などきっとあるに違いない。
(こうなると、いつもの大雑把とは違い
とことん細部が気になるA型気質。。。笑)

(この記事。。。まだ本題に入ってないぞ)

今日のは
源氏三習香 (ふりがな:げんじさんしふかう 読み方:げんじさんしゅうこう)

昔のそのお姉ちゃんと娘さん
白い着物とピンクの着物
ぴったり同じ歩調、同じ所作で道具を持って
入室、正座。
その正座までの動作、
無駄も狂い?揺れ?もなく
美しいこと!

まずは八つにたたまれた和紙?でできた
敷物(地敷き/しじき)を広げて(それには青竹の絵が描いてある)
その上にお香の道具を並べる。
その敷物に感動している私。
その厚み、折りたたみという便利さ、
さらにそこに描かれている絵。。。まさにこれだけで芸術!
たぶん、季節やその時の気分によって替えるものなのか?

灰の上に四角いシャーレのようなものを乗せて
その上に香木が乗っている。
このシャーレ?で灰の温度を一定に保ち
あるいはある時間持続させる
そういうことなのだろうか。
シャーレは「銀葉」というらしい。

3つの香りが出てくる。
最初の香りから源氏物語にちなんで
  「揚名之介 やうめいのすけ」
   「宿直物袋 とのゐものふくろ」
   「子の子の餅 ねのこのもち」
そして次に
名前を隠されて同じく三つの香りが出てくる、
それが何の香りだか聞きわけ
紙に筆で香りの名前を書く。
但し、この時、その三つだけとは限らず
別の香りが出てくるかも知れない。
その時は「客」の一包といい、
「ウ冠」だけを書けばよい。

しかし、その前に
小さな硯箱を一人ずつ受け取り
墨をする。
墨のよい香り。

まずはその硯箱に立てかけられてある
四つに折りたたまれた和紙に自分の名前を書く。
隣の人の手元を覗くと
ひらがなで書かれている。
それで私も真似して「ひろこ」と書くと
「こ」は書かなくていいのよ
と教えてくださる。
そういう習慣だそうだ。

なるほど一昔前なら、皆に「こ」がついていたはずだから
その必要もないのだろう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
香道は室町時代に起こった
お公家さんの文化。
当時は女の子の名前の最後に「子」がつくのは
「姫」のしるしで、公家の姫君の名つけ方の習わしだった。
そしてそれが庶民にまで降りてきて、
「子」が女のことの名前につくものとして定着したのだろう。

な~るほど。。。。今度、外国で聞かれたら
「こ(子)」が女の子で、「お(男・夫・雄)」は男の子っていう意味よと
言っていたのだけれど、「子」は元来「宮家のお姫様の意味」
って言わなきゃあ。
天皇家は今でもそのしきたりがあるのだそう。
(ここは終わった後に聞いたお話。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


香を聞いている間、外は静か、そして水が流れる音。
水の音が静かさを強調するかのようだ。

紙を回収し、そのひとつひとつの回答を
娘さんの方が和紙に筆で書きつける。
「皆、答えが違うみたい」と
最初の三人を書き終えたところで
近くの人が言い始める。ざわざわ。。。

私はというと、この緩い近眼のメガネでは
遠すぎてよく見えない。
(これで車は運転してるけど。。。)

しかし、難しかったわ。
はるかに西洋の香水より繊細だ。

最初の二つの違いはわかった。
わかったと言っても二つ目が強かった、
ひとつ目が弱かった。。。という程度。
三つ目になると、もう首をかしげることに。
う~~ん、ちょっと違うのかも?。。。としか言えない。

「出香」という言葉がけとともに
出題の三包(こう呼ぶらしい。。。)が出てきた。

出香の一つ目は、先ほどの最後の「子の子の餅」とは違う。
最初の「揚名之介」とも違う、これは明らかだ。
たぶん、二つ目の「宿直物袋」だな。

さて、ここから。。。よくわからなくなる。

でも
匂いを嗅ぐ(とは言わない、無粋だ)
「香を聞く」時の手つきは少し様になってきたかもしれない。
背筋を伸ばし(こういう時に使う言葉何だと納得する)
手を器の上にうまく丸めて
鼻に香りが上がりやすくすると

。。。なんだか香りを聞けそうな感じがするではないか!?

結果的に私は最初のみ正解。
二つ目と三つ目は入れ替わりだった。

でも初めてにしては結構いい線いっていない?

各一点、「客」が合った人は二点もらえる
私は一点。
一番得点の高い人が今日の記録紙がもらえる。
実はかなりほしかった。
きれいな毛筆で書かれてある。

その紙を受け取る時でさえ、
丸められた紙の片側を少し織り込んで渡される。
なるほど、すると紐はいらず丸められ、簡単に広げられ
開いた後も和紙なので折り目もつきにくい。
いちいち感動的だ。
日本の文化って、簡素で、美しく、すばらしいの一言!?
(合理的で無駄がない。。。。)


そのあと
「おうす」(薄茶)をいただく。

まずはお菓子。
色から一見シューマイに見えて
ひとりで苦笑。
隣の人が懐紙を下さり、
ひとまずその上にひとついただく。
(でもフォーク、いや楊枝がない。。。
隣を覗くと銀製の楊枝が懐紙の間から。)
一口でも食べられそうだったが
指先で無理やりいくつかに割って
口の中に。
おお~やわらかい生菓子ではないか
(結構、私の苦手なお菓子。。。
と思いきや、場所が変われば食べられるもの。)

何とも上品な秋の主菓子(おもがし)。
それにそれぞれに配られるまでに入っている大きな器がいい。
作者の名前を話し、この人の器はこれこれでいいわあ~と口々に話されているが
私一人ちんぷんかんぷん。

さて、おうすが出てきて。
さあ~て、お茶碗はどっちに何回まわすのだっけ
何回で飲むんだっけ
最後はず~っと音がしてもいいんだっけ
そのあとお茶碗を愛でて
どうするんだっけ???

と思いつつ、隣の人を観察。
なんとかそれなりに切り抜ける。(汗)

先ほどの甘~い生菓子がちょうど中和されて
おいしくいただけた。
なるほど、そういうことなのね。

床の間の掛け軸には武者小路実篤の作品。
百合根やじゃがいも、さいつまいもなどの野菜の絵とともに
「静観」の文字。
文字が気に行って今日の会のために掛けたものだとか。
これも今日の場の、ゆるやかなよい雰囲気を醸しだしている。

終わったあと、表のお店で
袱紗や懐紙、銀ではないけど布のケース?に入った楊枝を買い込む。
次回に備えて。

でも12月の会の月曜日は大阪にいる日。
残念、12月のお香の会には伺えない。

というわけで、個人的にお茶を教えてもらう日を約束。
これで私も日本文化に触れられる機会ができるわ
と、いそいそと帰路に着いた。

でもでも、今日一番大変だったのは。
正座。。。座椅子をかしてもらったり
左右交互に崩したり、はたまた胡坐をかいたり
工夫しきり。
公家様たちは女もはかま姿だったので
胡坐をかいてもよかったのだそう。
ここも私、「ひろこ」なのでお公家風にやってみました。
(調子のいい解釈?!)

素敵な1時間半、それでもお庭に出ると膝が今までになく硬くなっていて。。。。
思わずスクワットをした私はやっぱり変?!

でも上手に座れば、
正座しても足はしびれないように思います。
これからの課題かな。


 

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