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2012年7月27日 (金)

アムステルダム~リスボン

アムステルダムに来ています。

やっと今週から夏の衣装に!
そう昨日までは、春のコートや
またある時は真冬のコートが必要でした。

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だけど、日差しは、やはり夏です。

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偶然見つけた滞在しているホテルの近くの
土曜の市。この道を通って
有機野菜のセロリとにんじん、オリーブを買ってきました。
やっぱり自然に近いって力が違う。
食べるとなんだかぐっと元気になります。
別の日にスーパーで買った
有機のズッキーニも包丁を入れると、
水分が切り口からあふれ出してきます。

今回の滞在の目的は
やはり10月のリサイタル準備。
なんとか調子に乗せたいな。。。
と思いつつ、マリアンネ先生のレッスンは順調に。。。

けど、できていないこと多いんだなあ~。
練習、練習!

伴奏者のマールテンさんは夏の間は
奥さんの故郷ポルトガルにバカンスを兼ねてずっと滞在。
どうしようかと迷った結果、先生の勧めもあって
ポルトガルに3泊4日で行って来ることに。

さて、今から航空券やホテルはうまく取れるのか?!

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2012年7月25日 (水)

10月のリサイタル

10月のリサイタルのチラシがやっと出来上がった。

A4_flyera   A4_flyerb

学生時代から変わっていないこの作業、
原稿を自分で書いて、だいたいのイメージを印刷屋さんにお話しし、
ドキドキしながら最初の案を待つ。
信頼のおけるデザインの方とお話しするのも楽しい。
(しかもデザインは
学生時代からずっと同じ方に担当していただいている。)

「こうしたいのだけれど、どうしたら。。。」
「じゃあ、こうしたら。。。」
「ああ~、それいいかも。お願いします。。。」

昔から絵を描くことも、お習字を書くことも好きだった。
だからチラシを作るのは好きだ。
作りながらコンサートのテーマ、内容のイメージをはっきり持つ。
本来は作る前に決まっているのがいいのだろうけれど、
なかなかそうはいかない。
いつも同時進行だ。(汗)

「recital2012_flyerA.pdf」をダウンロード

「recital2012_flyerB.pdf」をダウンロード




改めまして、
日時とプログラムをお知らせします。

川井弘子ソプラノリサイタル
  ピアノ:マールテン・ヒレニウス

●2012年10月10日(水)19:00開演 
岡山県立美術館ホール
●2012年10月14日(日)14:00開演
東京オペラシティ・リサイタルホール

<プログラム>
Purcell: 
 O let me weep ! 私を嘆かせてください
 Hark ! how all things with one sound rejoice 
    ほら、すべてがひとつの音となって喜んでいる
           (セミオペラ「妖精の女王」より)
W.A.Mozart:
 Un moto di joia 喜びの衝動が
 Giunse alfin il momento~Deh, vieni
  とうとうその時がやってきた~来て、いとしい人よ
       (オペラ「フィガロの結婚」より)
Clara Schumann:
 Warum willst du and're fragen
    どうして他の人に尋ねるのですか
 Er ist gekommen in Sturm und Regen
    嵐と雨の中 彼はやって来た
Alma Mahler
 Die stille Stadt 静かな街
 Laue Sommernacht なま暖かい夏の夜
G.Mahler
 Blicke mir nicht in die Lieder 僕の歌を見つめないで
 Ich bin der Welt abhanden gekommen 僕は世間から姿を消してしまった

V.Bellini
  Qui la voce sua soave~Vien diletto ここであなたの優しい声が
  (オペラ「清教徒」より)

滝廉太郎:荒城の月
越谷達之助:初恋

F.Obradors
 Del cabello mas sutil いちばん細い髪の毛で
  La ciguena こうのとり
  El vito エル・ビート
  En el pinar 松林で

英語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・日本語の5カ国語。
今回はフランスものはなし。。。。

これらの言葉はアムステルダムに滞在していると
そのまま耳に入ってくる。
なぜかそんな入り混じった感じが私は好きだ。
ピアノのマールテンさんは日本語以外、すべて母国語のように
理解する。。いかにも多言語・多人種の国で育ったオランダ人。

悲しみは悲しみで終わらず、生きる喜びを伝える。
繊細に表現したい。
そのためには自然な発声が必要だ。

ピエール・ベルナックによれば
「歌うとは、まず肉体的快楽の魅力に従うこと、
あらゆる音楽的感情とは無関係に、
一種の肉体的健康さに身をまかせること」
だという。
「その次は、きいたことのある旋律を味わい、
くり返してみるよろこびです。」
「それから最後に、その歌の演奏と解釈を
完全なものにする。」

全自由席:3,000円【岡山】 / 4,000円【東京】

皆さまのご来場を
お待ちしています。

お問い合わせ・チケット予約:
 concert@hirokokawai.com

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2012年7月20日 (金)

【東京】「ピアニストならだれでも知っておきたい『からだ』のこと」「声楽家ならだれでも知っておきたい『からだ』のこと」

ご好評いただいています
AEコース「音楽家ならだれでも知っておきたい『からだ』のこと」を
Wem_book_3
http://www.hirokokawai.com/andover_ae.html
今度は楽器別、ピアノと声楽の『ボディ・マッピング』導入講座を開催します。
公開レッスンの形で、演奏する時に必要な『からだ』のことを
わかりやすく説明していきます。

骸骨くんや腕・喉のモデルも登場!
★講座の中で演奏してくださる方も募集いたします。


9月7日(金)10:30-12:30
ピアニストならだれでも知っておきたい『からだ』のこと
Wep_book
「wep120907.pdf」をダウンロード

この本、随分前に買ったけれど、そのままになっていると言われる方、
少し長く練習すると腱鞘炎になる、首や背中・腕が痛くなると言われる方、
生徒さんに教える新しい指針がほしいという方、

痛くはならないけれど
もっと豊かな音で弾きたい
効率よくからだを使う方法はないかと探しておられる方、
一度、講座にお越しください。
探しておられるものの大きなヒントが何か見つかるかもしれません。

演奏していただきながら、必要な「ボディ・マッピング」をご説明いたします。
「からだ」のことがわかることで、音はどう変化するでしょうか?
演奏している人は何に「気づく」のでしょうか?
お楽しみに!

9月10日(月)14:00-16:00
声楽家ならだれでも知っておきたい『からだ』のこと
Wes_book_2
「wes120910.pdf」をダウンロード

発声で迷っていらっしゃる方、「からだ」のことから
整理してみませんか?
昔はできていたのに、最近どうもおかしい、年のせいかしら?と言われる方。
いいえ、違います。
先生の言われることがよくわからないと言われる大学生の方、
少しからだ全体のことを一緒に学んでみませんか?
苦しく無理をするのではなく、うまくからだを使う方法がありますよ!
★講座の中で演奏してくださる方も、募集いたします。
お申し込み時に、演奏希望の曲目(ご相談に乗ります)と一緒にお申し込みください。

会場はどちらもレプレ新宿のRoomA。
http://www.music.kawai.co.jp/lepre-shinjuku/access.html
渋谷区代々木2-10-8 ケイアイ新宿ビル7階(1階は郵便局) 
Tel 03-3379-2388(代) 甲州街道初台方面左側 ★JR新宿駅南口から徒歩3分★


受講料:3,500円
定員:30名


●お問い合わせ・お申し込み●

一度、お気軽に下記までお問い合わせくださいませ。
やむなく留守番電話になっています時は、必ずメッセージをお残しください。

<ピアノ>
Tel/Fax 0466-88-6916 宮崎
E-Mail shoko-maho@jcom.home.ne.jp 宮崎
(件名に「9/7ピアニストならだれでも講座」とお書き下さい。)

<声楽>
Tel/Fax 0466-81-6488 橋本
E-Mail info@hirokokawai.com 岡本
 (件名に「9/10声楽家ならだれでも講座」とお書き下さい。)

お申し込みの際は、お名前・ご住所・連絡先(メールアドレスまたはTel/Fax)を
お知らせくださり、
特に講座で知りたいこと、普段困っていることや疑問点なども
できましたらお書き下さい。講座の参考にさせていただきます。
演奏を希望される方は簡単な履歴もお知らせください。
演奏曲目はご相談に乗ります。

よくなるためのステップ、
どうそご遠慮なく、この機会を生かしてください!

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2012年7月17日 (火)

川井弘子の新講座「歌う感覚・使える解剖学」2012年8月~12月

新講座決定!

<川井弘子のボディーラーニング講座>

【富山】
「歌う感覚・弾く感覚・使える解剖学」
 第2回 脚・足の使い方~グラウンディング

  2012年8月26日(日)13:30-15:30 
   会場:富山市内 *下記までお問い合わせください
      対象:声楽家・ピアニスト、それらを教える方・目指す方、愛好家の方
       受講料:3,500円
   お問い合わせ・お申し込み:masayoshi_masany@yahoo.co.jp
          Tel 090-8095-5228 Fax 076-464-1182 政二(まさに)
    詳しい内容はこちら⇒present 「bl20120826.pdf」をダウンロード

【倉敷】
「歌う感覚・使える解剖学」
 第1回 歌う「ささえ」とは
 
2012年9月1日(土)14:00-16:00

 第2回 口の開け方と美しい響きの作り方
 
2012年12月8日(土)14:00-16:00

 会場:倉敷市芸文館・第1練習室
 対象:歌う人全般・それを指導される方・からだのことに興味のある方
  受講料:3,500円
  お問い合わせ・お申し込み: hiro@hirokokawai.com
       Tel/Fax 086-525-2835 川井
 詳しい内容はこちら➡club 「bl20120901.pdf」をダウンロード

【大阪】
「歌う感覚・使える解剖学」
 第1回 からだ全体と歌うこと

    2012年10月21日(日)13:30-15:30

  第2回 口の開け方と美しい響きの作り方
 
2013年2月27日(土)13:30-15:30

  会場:ムジークシューレ内本町・ZG室 
  対象:声楽家・声楽指導者・声楽愛好家
          合唱指導者・合唱愛好家の方など、歌う人全般
        【クラシック以外にも対応】
  受講料:3,500円
  お問い合わせ・お申し込み:
    hirokos_lesson@yahoo.co.jp
      Tel 090-4035-8667  Fax 06-4302-1036  竹内
  詳しい内容はこちら➡ribbon「bl20121021.pdf」をダウンロード

  皆さまのご参加をお待ちしています。
  きっと普段の疑問の回答が見つかり、次に進める講座となるでしょう。


今までのアンドーヴァー・エジュケーターとしての「ボディ・マッピング」講座
「音楽家なら誰でも知っておきたい『からだ』こと」の簡単な復習と
声楽家としての歌う経験・教える経験を加えた、
より詳しい、よりわかりやすい講座となっています。

今までAEコース「音楽家なら。。。」を受講されたことのある方にも、
そうでない方にも、どちらにも対応しています。
 

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2012年7月10日 (火)

ピアノレッスン後のからだ

今日初めて個人レッスンに来られたピアノの方
(東京の有名音大卒、40歳ぐらいの女性)
から、こんなメールを翌日、頂いた。

「いつもでしたら、ピアノのレッスンを受けた後は
緊張のせいか、体がガチガチに凝った感じになるのですが、
昨日は何だかフワフワして、不思議に体が軽く、初めての体験でした!」

私はピアニストではなく声楽家だが、
アンドーヴァー・エジュケーターでもあるので
ピアノの方も多くレッスンに来られる。
大抵は、ピアニストやピアノの先生たちだ。
つまり私から見ると、ものすごく弾ける!
(レッスン中、うわあ~、すばらしい!と感動することも、
ここまで来るのに、どれだけの時間がかかったことだろうと
その努力に圧倒されることもしばしば。)
しかし、それだからこそ
長くピアノを弾いてきたからこその悩みは尽きない。

そこでいつも感じるのは、
実際に必要なより、大きな力を使って弾こうとしている
(それだけ弾かないと音が出ない)と
思い込んでいるということだ。

そのために、指は自分が思っているように速くは動かない。
せっかくの音楽性は容易に外には伝わらなくなっている。
厳しい先生に習ってきたために
「できない」「まだできていない」「充分ではない」と
いつまでも思っている。

そういう「トラウマ」的な考えが
何十年となく脳を支配していることを指摘する。

何が本当にうまくいっていないのか?
でも、どこはうまくいっているのか?
自分は何をどう感じているのか?
うまく弾けるというのは、そのあたりの
「繊細な気づき」をもとに、選択・成長させられるよう
必要な練習をするということではないだろうか?

がむしゃらに先生の言われたようにだけ
できるようになるために練習をする、
でもいったい何をできるように?
その時、自分の感覚は?


ご自分が考えているより弾ける!
人たちが実は多いというのが
私の感想だ。

それにしても、いつも不安を抱き、
自信のないことがさらにミスを呼び。。。
という人がなんと多いことか。

何が自分を「邪魔」しているのか
精確に把握する必要があるだろう。

そうした中で、
からだと音楽のさらなる豊かさと可能性が
育つのではないだろうか。

からだの芯が緊張していては
音楽を奏でることができない。
安心して、音楽を奏でよう!
自分を信頼しよう!

今日も、そんなことをレッスンに来た人に話した。



モリエールの戯曲「町人貴族」に出てくるジュールダンと
同じなのかも?


「静けさの中から~ピアニストの四季~」
スーザン・トムズ著(春秋社)
は英国のピアニストが書いたエッセイ。

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とてもよい本だと思う。

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2012年7月 9日 (月)

フォーカルジストニアの克服?!

出張レッスン先でたまたま見つけた
読売新聞の夕刊に
ピアニストの方で「フォーカル・ジストニア」を克服し
その病を発症していない左手だけでピアノを弾いて
見事にオーストリアの音大の合格した記事が載っていた。

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「音楽家のフォーカル・ジストニア」は
正確に表現すると
意志に反して「筋肉が収縮、硬直する病気」ではない。
そんなに大げさなことではなく、なんとも繊細な症状から始まる。

まず最初は指が単に巻き込んだり、跳ね上がったりするだけで、
どこか別のところの筋肉の収縮や硬直を伴うわけではない。
(確かにフォーカル・ジストニアの人に、
肩こりが激しいなどの症状がある人も多いかもしれないが、
それとこの病気は直接には関係ない。)
しかもピアノを弾いている時にだけ、時々に起こる。。。
日によってそうならない時もある。
さらに初期の段階では、ただ「むずむずする」など、
ちょっとだけ「違和感」があるだけだ。
もちろん、他の日常生活では何も異常は起こらない。

その段階で、なにか精神的に焦ることがあったり、
無理を強いる必要(か自分の欲求?!)が重なって、
その「からだからの信号」を無視し続けて、
脳の指令の通りにしようとする
(長時間練習する)ことが
ある期間以上続くと、ついに「からだは反乱」を起こして
言うことをきかなくなる。

この段階で起こるのが、指が巻き込んだり、
その巻き込みをやめようとすると、今度は隣の指が跳ね上がる
そういう「からだの反応」が「脳の指令」(=自分の意思)に反して起こる。

整形外科や脳神経外科のお医者様は
この最終的な症状しか見ないし、
別に命にかかわる病気ではないから
少々指が巻き込んだぐらいで。。。というように
思う方もあるようだ。

あるギタリストの方なんかはいくら不調を訴えても、
「普通の人より、指はよく動きますね」
と逆に言われ(確かにギタリストなんだから、
一般の人より指はよく動くのは当たり前だ)
全く取り合ってもらえなかったと困っていた。

なかなか診断をしてもらえなかったり、
(診断してもらえるから、先に進めることもあると思う)
単に原因不明と言われ、筋肉の硬直を少なくなる薬や
精神安定剤みたいなものを処方され、
あるいは単に精神的なストレスとして片づけられることもある。

しかし、プロの演奏家にとっては、
なんとも致命的な違和感であると言わざるを得ない。
自分の思うように指が動かない、
いつどこでどうなるのかわからない、コントロールできない
ということは大変なことだ。
その不安や焦りはいかほどのものだろうか。

こぶくろがジストニアで休業することになったので、
「フォーカル・ジストニア」という病名を聞かれた方もあるだろう。
声帯にもジストニアはあるのだ。


さて、フォーカル・ジストニアになって
それを治そうと研究していく過程で、
その症状を改善させる多くのエクササイズを考案し、
改善のためのベースとなる考えをまとめた
のはスペインのホアキン・ファリアスだ。

彼の方法は「治療」ではなく「教育」で、
しかも無理なことをするのではなく
「からだの声をきき」「まかせ」
脳(自分・意識・自我)とからだ(自然)のバランスを
「元に戻そう」という考え方だ。
からだのパーツにはどこにも病巣があるわけではなく、
接続においての「不具合」なのだ。

だから「克服」「征服」するのではない。
「元に戻す」のだ。

そういった意味で、「音楽家のフォーカル・ジストニア」
(=職業性ジストニア)は
「病気」(?と、もし名づけるのなら)の中でも、
かなり変わったタイプであると言えるだろう。
そこには戦いや頑張りはなく、調和がある。

「難病」ではないと私は思っている。
改善できる病気だと思う。
ファリアスのワークを見ていると
いつもそう思う。
(私には通訳でレッスンに同行する機会があった。)

そしてそこから、この病気ではない人も
学ぶことが多いと私は感じている。

こんなテクノロジーがなんでも進んだ時代になったからこそ、
自然でいることが難しくなっている。
外から何か付け加える前に
本来、私たちが持っているものへと立ち返り、
調和するということが、
私たちの内部にも外部の自然にも必要だし、
地味だが時には
最も大きな力を発揮する方法ではないだろうか。



ホアキン・ファリアス博士のウェブはこちら
http://www.focaldystonia.net/

8月の来日が延期になった。
来春の来日に期待したい。

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2012年7月 5日 (木)

龍笛におもう

龍笛をレッスンに持って来られた人は
今日で2人目だ。
そう、雅楽の「越天楽」を演奏する素朴な笛だ。
日本のそういった伝統的なもの、
素朴なゆえに難しいだろう、
と思われているのが一般的ではないだろうか。

確かに難しい。。。が、

私の印象はそれよりも、
「精確に反応する」「ごまかしがきかない」

だ。

フルートを吹いたことがあるので、
龍笛でも音は出やすい。
ちょっと頼んで、吹かせてもらう。

フルートに比べると音の立ち上がりが悪いので
ついつい安易に唇を締めて、ぴゅ~っと無理やり吹きたくなってしまうが
それでは音はますます貧弱になってしまうようだ。

そこで、最初に「音がうまく出ない」ことを「ゆるして」、
音が出ないことに即座に反応させず、
唇を締めないように我慢する。
そして次の瞬間、ゆったりと身体全体を使って、息を吹き込むと
音は見違えるように豊かに出現する。
その過程で、音には独特なゆらぎが加わる。

西洋の音に慣れた私の耳には、意図的ではなく
自然に起こるこのゆらぎが、予測していない分、
なんとも不思議だった。
(たぶん、もっと吹いているとこの感覚は違うのかもしれないが。。。)

「この、ふぅ~とピッチが変わるのはいいんでしょうか?」
と尋ねる私。
「はい、それがこの龍笛の音の特徴です」と生徒。
「ああ~、よかった。
それがどうやって起こるのかわかりました。
笛があまりにも自然なので最初から音になりにくいんですが
きちんと息が笛に入った時点で、笛が鳴ってくれますよ。

すごく一体感がありますね。
笛が自分のからだの一部として溶け込んだみたいです。」


(どっちが生徒なんでしょう??。。。あはは。。。)

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合唱の影響

月の一度の岡山市での歌う人の講座“Soloc"
Soloで歌えるようになるためのCourseというわけで
この名前をつけてから数年が経つ。
もともとは2008年3月に閉校になった、岡山駅前にあった
朝日カルチャセンターの講座だった。

私が朝日カルチャーで講座を持つことになったのは1999年。
すでに「声のトレーニング」「○○と名曲を歌いましょう」などという
クラシックの歌の講座が7講座あった。

そこで少し違った感じをタイトルでも出したいと、
「声と身体のメンタルクリニック」
という講座名にしてみた。
すると、いかにも弱々しい人たちが集まってくるではないか(笑)。
どうも「メンタル」という言葉が持つ力?!らしい。

というわけで、ちょっと困って
「声と身体のバランス調整レッスン」
「気持ちのいい声とからだのレッスン」
と次々と名前を変えることとなった。

内容説明はほとんど変わらず、タイトルが変わる。(笑)
しかし、それによって来られる人のカラーも少しずつ違った
。。。のは何とも不思議だった。

その間、私は2001年にアメリカで、アンドーヴァー・エジュケーターの資格を
得て、「ボディ・マッピング」を教えるようになったから、
少しアプローチの仕方も変わってきた。
しかし結局最後まで、「ボディ・マッピング」という言葉を
朝日カルチャーの講座の中では使わなかった。
不思議な気もするが、今頃になってなるほどなと、自分で納得していたりする。

なぜなら、「ボディ・マッピング」がわかるようになることが目的ではなく、
歌えなければいけないわけだから。
しかも、自分が苦しくなく負担なく、気持ちよく歌いたい。
それは私の中でずっと変わっていない。

なんと窮屈に歌っている人、
からだをしっかり使っていると思いこんでいるが、
ただ雁字搦めになっているだけの人が多いことか。

そして、まじめな人ほど陥りやすい
声や身体のパラドックスがあることか。

それらをなんとか助けたい。


さて、今日の講座、先月の倉敷での講座
「歌う人なら誰でも知っておきたい『からだ』のこと」・『呼吸』のこと」
に参加された人が2人新しく来られた。

一人は地震のために、川崎から岡山に引っ越して来られた30代女性Aさん。
もう一人は80歳の男性、龍笛の先生Bさん。

Aさんは学生時代から合唱に親しみ、社会人になってからも
ずっと歌われていた、癖の少ない美しいソプラノの声。
今日は”Caro mio ben"を歌われた。
一瞬にして、皆のあこがれの視線がそそがれる。

が、私がまず感じたこと。
「Aさんは自分の声をどう聞いているのだろう?」

そこで私はこう指摘し始める。
「今、ソロで歌われているのに
合唱を長らくしておられたことがよくわかります。
なぜなら、自分の声が主役ではなく、
他の外の音が主役になっていませんか?

今、確かに私は伴奏を弾いていますが、
それに合わせるのではなく、
まずは自分の声を主役として歌ってください。
合唱では他のパート、今はピアノ伴奏は
あなたが自分でコントロールできる音ではなく
コントロールの外にある音です。

なのにそれをあたかも自分でコントロールできるように
自分の声と同じように
聴いていませんか?
それは貴女の外にある音です。

あなたの耳の中で、自分の歌が主役なら、どうなりますか?
あなたが出す音以外は自分でコントロールできないとわかって歌うと
どうなりますか?」

Aさんは、何かにハッと気づいたようだ。
もう一度歌い始める。
少しこもり気味だった声が、明らかにすっきりとしている。
どんどん声が変わってくる。

それに私も伴奏が弾きやすい。
なぜなら、彼女がどう歌いたいのか、わかるからだ。

ここのところ、長い間合唱を楽しんでおられる新しい方が
講座や個人レッスンに来られる。
合唱独特の落とし穴を私は瞬時に感じてしまう。

・歌える自分が主役で、その主役の自分が指揮者や他の人に合わせるのではないかと
私は思うのだけれど。でないと、本当の意味では合わせられないのでは?
だって、合わせる主体の調子が崩れていては、合わせられないでしょう。
相手がどうしたいかもきちんと判断できないと思うし。

・どうやったらいい声が出るか、
息が長く続くのか、どうやってたら高い声が出るのかを学ぼうとしすぎて、
有名な先生方の発声に対する指示の仕方が少しずつ違い
(あるいは時に真逆で。。。笑)
それらに振り回されたり、あまりにもその通りにするあまり、
自分でどうしたらいいのか、自分がどうなっているのかわからなくなっている、
かなり上手な人。。。。もったいないです。

自分をもっと信頼して、
自分が『歌える感覚』を育てましょう。

まずは先生の言いなり、言うとおり。。。というのは間違えていますよ。
先生が何を意味されているのか、
うまく取り入れられたらいいですね。

そのポイントは、
自分への「信頼」を持つこと、
変化へのからだの、あるいは動きへの「気づき」、

そのためには
「からだ」があること

が必要ではないかなと思っています。


よくわからなくなったら、
いろいろ考えるのではなく、
一旦、歌うことから離れて、
自分の感覚を取り戻し、
気にしないでおおらかに歌うことを
やってみたらいい時もあるのではないでしょうか。

だってなんといっても、
歌う愉しみを大切にしたいですから。

継続は力なり、
でも、休憩も力なり
ではないでしょうか。

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